バイクのクーラント(エンジン冷却水)交換は2~3年に一度が目安!やり方や注意点を解説

バイクのクーラント(エンジン冷却水)交換は2~3年に一度が目安!やり方や注意点を解説

バイクのクーラント(エンジン冷却水)を一度も交換したことがないという方も多いと思います。しかし、クーラントは徐々に劣化していくほか、漏れて量が減ってしまうこともあり、交換・補充しないまま乗っているとエンジンに深刻なダメージが及んでしまうことがあります。今回は、バイクのクーラントの役割や交換時期、交換方法などについて解説していきます。

【目次】

当ページの内容については、お客様のためのお役立ちコラムとして連載しておりますが、当社はバイクパーキングの運営会社ですので、ページ内容に関する個別対応はいたしかねます。

クーラントとは?

クーラントとは、水冷エンジンのバイクに使われている冷却水のことです。エンジンが過剰な熱を持つとオーバーヒートが起きたり、エンジンが焼き付いて深刻なダメージを受けたりするおそれがあります。このようなトラブルを避けるため、エンジン内を循環させてエンジンの温度が上がりすぎないようにするのがクーラントの役割です。また、クーラントはエンジン内のサビや腐食を抑える効果もあります。

バイクのクーラントが劣化・不足すると?

エンジンの内部ではガソリンが燃焼しているため、非常に高温になります。クーラントが劣化していたり、漏れて量が不足していたりするとオーバーヒートを起こし、以下のような症状が出ることがあります。

  • ・エンジンから白煙が上がる
  • ・エンジンから異音・異臭がする
  • ・アクセルを開けていないとアイドリングを保つことができない

オーバーヒートを起こした状態で走り続けていると、エンジンが炎上する危険性もありますし、エンストして大きな事故につながるおそれもあります。

バイクのクーラントの交換時期

一般的なクーラントはエチレングリコールを主成分とし、防錆剤などが含まれています。近年は、長期間使用できるLLC(ロングライフクーラント)が主流になっていますが、それでも経年によってエチレングリコールが酸化して劣化が進んでいきます。オーバーヒートなどのエンジントラブルを引き起こす前に、クーラントを交換することが大切です。

バイクのクーラントを交換する頻度は、2~3年に一度が目安です。2~3年を過ぎたからといって急に不具合が現れるわけではないため交換を怠りがちですが、トラブルを未然に防ぎたいなら2~3年おきに交換しておくのが賢明です。

バイクのクーラントの交換方法

バイクのクーラントを交換する際は、まず古いクーラントを抜いていきます。走行後のクーラントは非常に高温になっているうえ、圧力がかかっているので、ドレンボルトを緩めたりラジエーターキャップを外したりしたときに噴射して体などにかかってしまうおそれがあります。クーラントの交換は、必ずエンジンが冷めているときにおこないましょう。

①ラジエーターキャップを外す

まず、ラジエーターのキャップを外します。ラジエーターキャップは単なる蓋ではなく、冷却水の経路に圧力を加えることで沸点を上昇させるという重要な役割があるため、パッキンにひび割れなどがないか確認しましょう。劣化している場合は新しいものに交換してください。

②ドレンボルトを外す

次に、ドレンボルトを外します。ドレンボルトを外すとクーラントが出てくるので、受け皿を置いて受けてください。ドレンボルトの位置や数はバイクによって異なるため、事前に確認しておきましょう。車種によっては、ドレンボルトを外すためにカウルやタンクを外さなければいけないケースもあります。

③ドレンボルトを締める

古いクーラントが抜けきったら、ドレンボルトを締めます。このとき、ドレンボルトのワッシャーも新品に交換してください。なお、排出したクーラントが著しく変色している場合や走行距離が長い場合は冷却経路に汚れが溜まっている可能性があるため、専用ケミカルで冷却経路を洗浄するのが良いでしょう。

④新しいクーラントを入れる

ドレンボルトを締めたら、ラジエーターキャップから新しいクーラントを入れます。

⑤クーラントのエア抜きをする

クーラントを入れたら、エア抜きをおこないます。エア抜きとは、冷却経路に入った空気を抜く作業のことです。ラジエーターキャップを開けたままエンジンをかけてアイドリングすると、内部に残っていた空気が気泡となって抜けていきます。空気が抜けるとクーラントの液面が下がっていくので、液面が下がったぶんのクーラントを補充します。

⑥リザーバータンクにクーラントを補充する

エア抜きが終わったら、クーラントのリザーバータンクの液量を確認します。液量がFULLとLOWの間であれば既定の範囲内なので問題ありません。LOWを下回っている場合は、規定量に達するまでクーラントを補充しましょう。

バイクのクーラントを選ぶ際の注意点

クーラントは希釈タイプと原液タイプがある

クーラントは、そのまま使える原液タイプと、水で薄めて使う希釈タイプがあります。費用は、原液タイプ2Lで1,000円程度、希釈タイプ2Lで2,000円程度です。希釈の割合は商品によって異なりますが、50:50だとすると実質的な金額は同程度になります。

希釈タイプは水道水で2倍から3倍に希釈するのが一般的です。ちなみに、クーラントの濃さによって凍結温度が変わってきます。クーラントが濃いほど凍結しにくく、クーラントが薄いほど凍結しやすくなります。北国など、冬場の気温が低いところでは濃い目にしておくのが良いでしょう。希釈するのが面倒だという人は原液タイプをお選びください。

クーラントの色は?

クーラントには、赤、青、緑、黄色など様々な色の商品があります。色によってクーラントの成分や特徴が違うわけではなく、メンテナンスや残量などの確認がしやすいように色が付けられています。

そのため、クーラントは好きな色の商品を選んで構いません。ただし、クーラントを継ぎ足すときは、既存のクーラントと同じ色を選んでください。異なる色を混ぜると黒っぽくなり、クーラントの劣化や汚れ具合が分かりにくくなるほか、漏れていても気付きにくくなってしまいます。

クーラント交換をバイクショップに依頼する場合の工賃・費用

クーラントの交換をバイクショップに依頼する場合、クーラントの実費と工賃がかかります。クーラントの費用は1,000円~2,000円ほどで、工賃は3,000円~5,000円ほどが目安です。ただし、クーラントを交換するためにタンクやカウルを脱着する必要がある場合は、これよりも工賃が高くなるのが通常です。

まとめ

バイクのクーラントは、ついつい交換を怠ってしまいがちです。しかし、クーラントを交換・補充しないまま乗っているとエンジントラブルを招く可能性が高くなります。自分でも簡単にできるメンテナンスなので、2~3年に一度はクーラントを交換するようにしましょう。

クーラントの交換など、バイクをメンテナンスするためには場所が必要ですが、「落ち着いて作業できる場所がない・・・」というライダーの方は少なくありません。そのような方は、ぜひアイドゥの駐車場をご利用ください。アイドゥのバイクパーキングはすべて屋内型で、一つひとつの区画にゆったりとしたスペースがあります。共用の工具類やエアコンプレッサーがあり、電気や水道も使えるのでクーラント交換もはかどるはずです。

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