バイクの足つきを良くするシートのアンコ抜きとは?やり方やメリット・デメリットを解説!

バイクの足つきを良くするシートのアンコ抜きとは?やり方やメリット・デメリットを解説!

バイクの足つきを良くする方法はいくつかありますが、代表的なのがシートの「アンコ抜き」です。アンコ抜きをすればシート高を低くできるだけでなく、形状を変えて座り心地を改善することもできます。今回は、バイクのシートのアンコ抜きのメリットや注意点、自分でアンコ抜きをする方法などについて解説していきます。

【目次】

当ページの内容については、お客様のためのお役立ちコラムとして連載しておりますが、当社はバイクパーキングの運営会社ですので、ページ内容に関する個別対応はいたしかねます。

バイクのシートの「アンコ抜き」とは?

バイクのシートの「アンコ」とは、シートの中に入っているスポンジ(ポリウレタン)のことを言います。「アンコ抜き」は、スポンジを抜いて(スポンジの量を減らして)、シートの高さや形状を変えるカスタムのことを言います。ちなみに、アンコ抜きの「アンコ」は、お饅頭に入っている「餡子」が語源のようです。

ノーマルのシートも乗り心地の良さが追求されていますが、それはあくまで平均値であり、一人ひとりのライダーに合わせて設計されているわけではありません。しかし、アンコ抜きをすれば、シートの高さや形状をライダーの好みに合わせることができます。

シートのアンコ抜きをする目的

シートのアンコ抜きは多くの場合、バイクの足つきを良くするためにおこないます。バイクの足つきが悪いと、ふらつきや立ちゴケの原因になりますが、アンコ抜きでシート高を低くできれば、このようなリスクを低減できます。小柄な方や女性の方の中には「大型バイクに乗りたい」と思っていても、跨ったときに足がつかないために断念する方もいますが、シートのアンコ抜きをすれば、大型バイクに乗れる可能性も出てきます。

また、バイクの座り心地を良くするために、アンコ抜きでシートの形状を変えることもあります。たとえば、「段」ができるようにアンコ抜きをすれば、「前すべり」を防げますし、「角」の部分のアンコ抜きをすれば、太ももの圧迫感を軽減できます。その他、タンデムしやすいように形を変えるなど、アンコ抜きをする場所や範囲、量を工夫することで自分好みのシートにすることが可能です。

シートのアンコ抜きをする際の注意点

アンコ抜きのいちばんの懸念点は、スポンジの量が減ることでクッション性が失われ、逆に座り心地が悪くなってしまう可能性があることです。ライダーの体重に対してスポンジの量が少ない場合、お尻が痛くなってしまう場合もあります。長時間の運転が多い方は、特に注意する必要があるでしょう。

また、アンコ抜きでシート高を低くすることで、お尻とステップの距離が近くなって膝の角度が深くなるなど、ライディングポジションが窮屈になる可能性もあります。相対的にハンドルの位置が高くなることで、ハンドリングに影響が出ることも考えられます。このような影響も踏まえたうえで、バランス良くアンコ抜きをすることが大切です。

自分でシートのアンコ抜きをする方法

シートのアンコ抜きの方法は以下のとおり、手順そのものはシンプルです。

  • 手順 ①:シートを剥がす
  • 手順 ②:スポンジを削る
  • 手順 ③:再びシートを留める

手順ごとに、方法や注意点を解説していきましょう。

手順 ①:シートを剥がす

マイナスドライバーやペンチなどを使って、シートを留めているタッカー(大きなホチキス)を外し、シートの表皮を剥がします。このとき、内側にある防水ビニールも剥がします。この作業はそれほど難しいものではありません。

手順 ②:スポンジを削る

いわゆる「アンコ抜き」の作業です。シートの表皮を剥がして露出したスポンジを削っていきます。感覚だけを頼りに作業すると失敗するので、削る場所を測り、マジックなどで目印を付けたうえで削るようにしましょう。

スポンジを削るときは、糸鋸やカッター、おろし金や棒ヤスリ(鉄工ヤスリ、木工ヤスリ)、紙ヤスリなどを使います。最初に糸鋸やカッターで大きめに削り、その後、おろし金や棒ヤスリ少しずつ調整していきます。最後に、100番くらいの紙ヤスリで削るときれいに仕上がります。足つきを良くする場合は、座面だけでなく両サイドの「角」も削ると効果的です。

数センチ削るだけでも体感は大きく変わるので、削り過ぎないように途中でシートをバイクに戻し、跨って感触を確かめながら少しずつ削るようにしてください。

手順 ③:再びシートを留める

最後にシートの表皮を留めますが、その前にラップやビニールなどで防水加工をします。シートの表皮を留めるときは、ハンドタッカーとその針が必要です。なお、ハンドタッカーは100円ショップでも手に入りますが、ホームセンターなどで業務用の商品を購入したほうが良いでしょう。

この作業は、元どおりにするだけのように思えるかもしれませんが、シートの高さや形状が変わっているため、決して簡単ではありません。ハンドタッカーで仮止めをしながら、シートにシワができないように引っ張りながら留めていきます。

自分でアンコ抜きをすれば安価に仕上げられますが、簡単なようでコツが要る作業なので、形状が左右対称にならなかったり、被せ直したシートにシワができたりしてしまうこともあります。心配な方は、バイクショップなどに依頼するのが良いでしょう。

シートのアンコ抜きをバイクショップに依頼する際の費用相場

バイクのシートのアンコ抜きは、バイクショップやカスタム専門店に依頼できます。アンコ抜きの費用相場は10,000円~25,000円程度です。通常は、シートのサイズが大きいほど手間がかかるため、シングルシートよりもダブルシートのほうが費用は高くなります。また、シートの表皮を使い回さず、新しい表皮に張り替える場合は別途料金がかかります。

なお、シートのアンコ抜きを依頼するときは、「足つきを良くしたい」「もうちょっと○○にしたい」といった要望を伝えますが、仕上がりの感じ方は人それぞれです。プロがアンコ抜きしたとは言え、実際に跨ってみたら「あれ!?イメージしていた座り心地じゃないな・・・」と感じることもあるようです。

たとえば、バイクの足つきを良くしたいのであれば、シートのアンコ抜き一択ではなく、シートごと社外品に交換するという選択肢もありますし、サスペンションを「ローダウンサスペンション」に交換するという方法もあります。目的に対して、どんなカスタムが最善なのかをあらためて考えてみることも大切です。

まとめ

シートのアンコ抜きは、バイクのカスタムのなかでも比較的取り組みやすいカスタムですが、失敗のリスクもあります。アンコ抜きの難しいところは、一度スポンジを削ってしまうと元に戻せないという点で、やり直しはできません。アンコ抜きの逆で、スポンジの量を増やす「アンコ盛り」というカスタムもありますが、アンコ盛りをしても完全に元どおりのシートに戻すことはできません。慎重に少しずつ進めるのが、アンコ抜き成功の鉄則だと言えるでしょう。

シートのアンコ抜きなどのカスタムをするには、落ち着いて作業できる場所が必要です。バイクのカスタムやメンテナンスが好きな方は、ぜひアイドゥのバイクパーキングをご利用ください。アイドゥのバイクパーキングはすべて屋内型で、一つひとつの区画にゆったりとしたスペースがあります。共用の工具類があるうえ電気・水道も使えるので、いつでも「マイガレージ」のような感覚でカスタムを楽しんでいただけます。

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