バイクのトラブルのなかでも比較的多いのが「バッテリー上がり」です。ツーリング先でJAFのお世話になるのは、誰でも避けたいものでしょう。ドライブやツーリングの予定を台無しにしないよう、ライダーならバッテリー上がりの対策は押さえてきたいものです。今回は、バイクのバッテリー上がりの原因と対策、緊急時の対処法などについて解説していきます。
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「バッテリー上がり」とは?
バッテリーは、バイクや車に電気を蓄えておくために欠かせないパーツです。「バッテリー上がり」と言われる状態は、バッテリーに蓄えられている電気がほとんどなくなってしまった状態のことを言います。バイクはバッテリーの電気の力でセルモーターを回してエンジンをかけているため、バッテリー上がりが起きるとセルモーターが回らず、エンジンがかからなくなってしまいます。
バイクのバッテリー上がりの原因
バイクのバッテリー上がりの原因としては、以下のようなことが考えられます。
- ①灯火類を点けっぱなしにしていた(消し忘れた)
- ②長期間、バイクに乗っていなかったためバッテリーが自然放電した
- ③バッテリーが寿命を迎えた
- ④バイクの充電装置が故障し、バッテリーが充電されていなかった
- ⑤バイクの配線が劣化したことにより、バッテリーの放電や電圧不良が起きた
- ⑥バッテリーの端子が緩み、接触不良を起こした
- ⑦事故などの衝撃によってバッテリーの内部が破損・故障した
このように、バイクのバッテリー上がりの原因は様々ですが、なかでもよく見られるのが①②③の3つです。灯火類の消し忘れや自然放電であれば、バッテリーを充電することで再び使えるようになります。一方、バッテリーが寿命を迎えている場合は新品に交換するしかありません。バイクのバッテリーの寿命は使用頻度や環境によって左右されますが、一般的には3~5年と言われています。
バイクのバッテリー上がりの対策
バイクで外出中・ツーリング中にバッテリー上がりが起きると、立ち往生してしまいます。そうならないよう、バッテリー上がりが起きてしまったときの対策を知っておきましょう。
押しがけ・キックスタートでエンジンをかける
キャブレター式のバイクであれば、バッテリー上がりが起きてしまっても「押しがけ」や「キックスタート」でエンジンを始動できる場合があります。バイクには発電機が内蔵されており、エンジンの回転によってバッテリーを充電する仕組みになっています。そのため、エンジンさえ始動できれば、30分ほどの走行でバッテリーを充電できます。キャブ車に乗っている方は万が一に備え、押しがけとキックスタートを練習しておきましょう。
押しがけ
押しがけとは、タイヤの回転力でエンジンを始動させる方法です。キーをオンにして、ギアを2速(もしくは3速)に入れ、クラッチレバーを握ったままバイクを押して走ります。ある程度のスピードになったらバイクに飛び乗り、クラッチをつないでアクセルを開けることでエンジンをかけます。
キックスタート
キックスタートとは、エンジンの横にあるキックペダルを勢いよく足で踏んで、直接クランクシャフトを回してエンジンを始動させる方法です。キックペダルが付いているバイクであれば、キックスタートが可能です。
ジャンプスターターでエンジンをかける
ジャンプスターターとは、外付けして使える予備バッテリーのようなアイテムで、非常用のスターターとして使われます。バイクのバッテリーにケーブルで接続することで電気を供給できるので、バッテリー上がりが起きたときでもエンジンを始動できます。
最近では、小型で持ち運びしやすいジャンプスターターも登場しており、スマホの充電に対応している製品もあります。ツーリングの際などは、ジャンプスターターを備えておくと安心です。
バイクショップでバッテリーを充電してもらう
バッテリー上がりが起きたとき、近くにバイクショップがあればそこまでバイクを押していき、バッテリーを充電してもらうのが良いでしょう。費用は1,000~2,000円くらいが相場です。ただし、バッテリー上がりが起きたとき、都合良く、近くにバイクショップがあるとは限りません。押して歩けない距離なら、JAFやロードサービスを呼ぶことになるでしょう。
バイクのバッテリー上がりを防止する方法
バイクのバッテリー上がりは誰でも避けたいものです。バッテリー上がりを防止するため、以下の3点を心がけましょう。
①バッテリー上がりの予兆を見逃さない
バイクのバッテリーの電気が少なくなってくると、以下のような症状が現れるようになります。
- セルモーターの勢いがなくなる
- ホーンの音が小さくなる
- 灯火類が暗くなる
このような症状は、バッテリー上がりの予兆です。「何だか調子悪いな」で済まさず、早めにバッテリーの充電、交換など然るべき対処をしましょう。バイクのバッテリー充電方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
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バイクのバッテリーの充電方法を徹底解説!充電器の選び方も
なお、バッテリーを充電・交換しても症状が改善されない場合は、電装系のトラブルが疑われます。一度、バイクショップで見てもらうのが良いでしょう。
②定期的にバイクに乗る
バイクのバッテリーは、バイクを運転していない間も常に放電しています。長期間バイクに乗らないことで自然放電が進み、バッテリー上がりが起きるケースは少なくありません。自然放電を防ぐには、定期的にバイクに乗るのがいちばんです。こまめにエンジンをかけて運転することで、バッテリーが充電された状態をキープできます。
③長期間バイクに乗らないときはバッテリーを外す
冬場など、長期間バイクに乗らないことが分かっているときは、バイクからバッテリーを外しておきましょう。外したバッテリーを冷暗所に保管しておけば、自然放電が少なくなります。充電器がある方は、充電器で充電しておくのが理想的です。
バイクのバッテリーを着脱する際は、「外すときはマイナス端子から、つなぐときはプラス端子から」が鉄則です。この順番が逆になるとショートする危険性があるため要注意です。ほとんどのバッテリーが「プラス端子=赤」「マイナス端子=黒」に色分けされていますが、色分けされていない場合も「+」「-」の表記があるはずなので、必ず確認してください。
まとめ
バッテリーはバイクの電気系統の根幹とも言えるパーツです。日頃から適切に充電・メンテナンスし、バッテリー上がりを起こさないようにしましょう。
バッテリー以外にも、メンテナンスが必要なパーツは多々あります。バイクの基本的なメンテナンスについては以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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