長年、バイクに乗っていると徐々にチェーンが伸びてきます。
伸びたチェーンをそのままにしていると、チェーンが外れたり切れたりして大惨事を招くおそれがあるため、適切なタイミングでチェーンを交換しなければいけません。
そこで今回は、バイクのチェーンを交換すべき時期・タイミングや、交換の方法・手順などについて解説していきます。
- 【目次】
当ページの内容については、お客様のためのお役立ちコラムとして連載しておりますが、当社はバイクパーキングの運営会社ですので、ページ内容に関する個別対応はいたしかねます。
バイクのチェーンを交換しないでいると起こり得るリスク
長年、バイクに乗っていると摩耗によって徐々にチェーンが伸びてきます。
また、サビなどによって劣化も進むでしょう。
バイクのチェーンが伸びた状態・傷んだ状態のまま乗っていると、スプロケット(エンジンの駆動力を伝えるための歯車)が磨耗していきます。
スプロケットが摩耗すると歯が折れてしまい、チェーンが外れたり切れたりする原因になります。
バイクの走行中にチェーンが外れたり切れたりすると、チェーンを巻き込み、タイヤがロックして転倒してしまうおそれがあります。
走行中に切れたチェーンはクランクケースを割るほどの衝撃があると言います。
切れたチェーンが自分の足に当たったり、周囲のクルマや人に飛んでいったりしたら大惨事を招く可能性もあるので要注意です。
バイクのチェーンは大きく2種類
バイクのチェーンは大きく「シールチェーン」と「ノンシールチェーン」に分類されます。
「シール」というのは、チェーンのプレートとプレートの間にグリスを保持するための筒状のゴムのこと。
シールがあるのがシールチェーンで、シールがないのがノンシールチェーンです。
シールチェーンは、シールの効果でグリスが保持されるため摩耗が少なく、チェーンが伸びにくいのが特徴です。
ノンシールチェーンに比べると寿命も長くなります。
一方、ノンシールチェーンはシールを使っていないため、チェーン自体が軽量かつ安価です。
しかし、グリスを保持しにくく摩耗しやすいためチェーンが伸びやすく、寿命も短くなります。
また、こまめにメンテナンス(注油)をしなければいけません。
一般的なバイクにはシールチェーンがおすすめですが、ノンシールチェーンは軽くて抵抗が少ないため、サーキットを走る人などに選ばれています。
バイクのチェーンを交換すべきタイミング・時期
バイクチェーンの交換時期は「走行距離」が一つの目安になります。
シールチェーンの場合は15,000km~20,000km程度、ノンシールチェーンの場合は5,000km~10,000km程度が交換の目安になります。
ただし、チェーンの種類やメンテナンスの頻度などによってチェーンの状態は変わってくるため、あくまでも目安と考えましょう。
チェーンの交換時期を判断するためには、チェーンの状態を観察することも重要です。
以下のような症状が見られたら新品への交換を検討しましょう。
チェーンが伸びすぎている
チェーンが許容範囲を超えて伸びているときは、摩耗が進んでいると考えられます。
交換を検討すべきタイミングです。
チェーンから異音がする
走行中にチェーンから「ジャラジャラ」「シャラシャラ」といった異音がすることがあります。
チェーンのメンテナンスや遊び調整をしても異音が消えない場合は、新品に交換しましょう。
チェーンが錆びて腐食している
チェーンの錆びがひどくなると腐食が進んでいきます。
チェーンに腐食している箇所がある場合は、交換を検討しましょう。
チェーンが硬直している
チェーンが真っ直ぐに並ばず、ところどころ波打っている箇所がある場合は、チェーンが硬直している証拠です。
チェーンの動きも鈍くなるので、交換を検討したほうが良いでしょう。
バイクのチェーン交換に必要なもの
「カシメ式シールチェーン」を前提に、チェーン交換に必要なものをご紹介します。
新しいチェーン
新しいチェーンを選ぶときは、事前に「サイズ(プレート1個の大きさ)」と「リンク数(ピンの総数)」のチェックが必要です。
多くのバイクチェーンはサイズとリンク数を指定して購入することができます。
なお、リンク数は購入後にカットして調節できるので、多いぶんには問題ありません。
また、チェーンのジョイント方法は「カシメ式」「クリップ式」「スクリュー式」の3つがあります。
耐久性に優れたカシメ式が主流ですが、交換する際は専用のカシメ工具が必要になります。
チェーンカッター
チェーンカッターは、1個1個のチェーンをつないでいるピン部分を押し出すことでチェーンを外す工具です。
チェーンカッターとして有名なのが、D.I.Dの「かし丸君」です。
「かし丸君」は、チェーンカッターとしての機能だけでなく、「プレートの圧入」や「ピンのカシメ」もできる優れもので、プロショップでも広く用いられています。
カシメ工具
専用のカシメ工具が必要になります。
「かし丸君」があればカシメ作業もできるため、別途、カシメ工具は不要です。
メガネレンチ
「かし丸君」を使う場合、19mmと27mmのメガネレンチが必要になります。
タイラップ
詳しくは後述しますが、既存のチェーンと新しいチェーンをつなぐときに使います。
バイクのチェーン交換の方法・手順
「カシメ式シールチェーン」を前提に、バイクのチェーンを交換する方法・手順をご説明します。
チェーン交換 既存のチェーンのカット
まずは、既存のチェーンをカットします。
「かし丸君」をチェーンのジョイント部分に仮止めし、メガネレンチでボルトを締めていきます。
そうすることで、徐々にチェーンのピンが押し出されていきます。
ピンが抜け落ちたら、チェーンのカットは完了です。
チェーン交換 新しいチェーンの取り付け
既存のチェーンを外して、新しいチェーンを取り付けます。
このとき、既存のチェーンをすべて外してから新しいチェーンを取り付けるのは少々面倒なので、既存のチェーンと新しいチェーンをつないで、入れ替える形で取り付けるのがおすすめです。
まずは、カットした既存のチェーンの端と新しいチェーンの端をタイラップで仮止めします。
そのうえで既存のチェーンをゆっくり引き抜いていくと、新しいチェーンが引っ張られ、そのまま一周させることができます。
一周したらタイラップを外して既存のチェーンを切り離し、新しいチェーンをスプロケットにセットします。
このとき、チェーンのリンク数に余りがあればカットします。
チェーン交換 ジョイント部分の仮止め
チェーンのジョイント部分を仮止めします。
ジョイントリンクのピン、シール、ブッシュにまんべんなくグリスを塗ったうえ、チェーンの端と端にジョイントリンクを差し込んでつなぎます。
その上にプレートを被せれば、仮止めは完了です。
チェーン交換 ジョイント部分の圧入
「かし丸君」とメガネレンチを使ってプレートを圧入します。
固くなるところまでレンチを回したら、圧入は完了です。
チェーン交換 ジョイント部分のカシメ
「かし丸君」とメガネレンチを使って、2箇所のピンのカシメ作業をおこないます。
固くなるところまでレンチを締めたら、カシメ作業は完了です。
チェーン交換 チェーンの調整
必要に応じてチェーンの遊びを調整したら、チェーン交換は終了です。
「かし丸君」を使ったチェーン交換の方法は、「かし丸君」を開発しているD.I.Dの動画が非常に分かりやすいので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
>> D.I.D チェーン 交換編
まとめ:正しいチェーン交換の方法をマスターして安全なバイクライフを!
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>> アイドゥの駐車場一覧
チェーン交換以外のバイクカスタムに関しては、以下の記事も参考にしてください。
>> バイクのヘッドライト交換方法や種類(LED・HID)をまとめて解説!
>> バイクのタイヤ交換方法、タイミング、工賃をまとめて解説
>> バイクにスライダーを装着して転倒や立ちごけから愛車を守る!
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