最近のバイクには燃料計(フューエルメーター)が付いていますが、ひと昔前のバイクは燃料計が付いていない車種がほとんどでした。
燃料計のないバイクに乗っている方はトリップメーターで給油のタイミングを判断していると思いますが、不便だと感じている方も多いはず。
そこで今回は、バイクに燃料計を後付けする方法などを解説していきます。
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バイクに燃料計を後付け(取り付け)する方法
上述のとおり、ひと昔前のバイクは燃料計が付いていない車種がほとんどです。
そのため、燃料計を後付けするライダーも少なくありません。
燃料計があれば、ガソリンが減っていくペースを目視で把握できるので、「うっかりガス欠」に陥るリスクを回避できます。
バイクの燃料計は大きく「アナログ式」と「デジタル式」に分けられます。
アナログ式の燃料計は指針の位置からガソリンの残量を把握し、デジタル式の燃料計はメーターや数値の表示からガソリンの残量を把握します。
バイクに燃料計を後付け(取り付け)する際は、基本的に以下の手順でおこないます。
- 必要に応じて、ガソリンタンク、カウル、サイドカバーなどを外す。
- ガソリンタンクに燃料計(センサー部分)を取り付ける。
- 配線をつなぐ。
- ハンドル周りに燃料計(メーター部分)を取り付ける。
これだけ見ると簡単そうに思えるかもしれませんが、燃料計の取り付け方はバイクの車種や燃料計のタイプによって変わってきます。
「このとおりにやれば間違いない」という方法はなく、燃料計の取扱説明書やバイクのサービスマニュアルを見ながら取り付けるしかありません。
配線も複雑ですし、ガソリンタンクに燃料計(センサー部分)を装着する穴がない場合は、穴を空ける必要があります。
自信のない方はバイクショップに依頼するのが良いでしょう。
バイクショップに燃料計の取り付けを依頼する場合、燃料計の費用に加え、工賃として3,000から5,000円程度かかります。
なお、燃料計キットの値段はピンキリですが、相場は1から2万円程度です。
バイクの燃料計はアテにならない?
「バイクの燃料計はアテにならない」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
というのも、燃料計は通常、ガソリンの位置(高さ)で残量を測りますが、そもそもガソリンタンクの形状が車種によって異なるため、目盛りの減り方に差が出てしまうのです。
車種によっては、始めはなかなか目盛りが減らないのに、あるところから一気に減り始め、あれよあれよという間にガソリンがなくなってしまうケースもありますし、その逆のパターンも考えられます。
加えて、バイクという乗り物は傾けて乗るものなので、車体の角度によっても残量表示が変わってきます。
燃料計の目盛りの減り具合いは必ずしも正確ではないため、あくまでも参考程度に考えておくのが良いでしょう。
バイクに燃料計を後付けするのは邪道?
ライダーの間では、「バイクに燃料計を後付けするのは邪道だ」「そもそも燃料計なんて不要だ」という意見も聞かれます。
たしかに、ひと昔前のバイクには燃料計が付いていなかったわけなので、燃料計がなくても問題ないという意見は一理あります。
一方で、「燃料計がないとガス欠になるのが怖い」という意見もあります。
これから燃料計のないバイクを購入しようという方は不安に思っているかもしれませんので、以下では、燃料計なしで給油のタイミングを知る方法についてご説明します。
燃費が分かれば給油のタイミングも分かる
自分のバイクの燃費を把握できていれば、給油のタイミングを知るのは簡単です。
燃費の求め方は様々な方法がありますが、もっとも一般的な「満タン法」をご紹介します。
- ガソリンを満タンにする。
- トリップメーターをリセットする。
- 次回の給油でもガソリンを満タンにし、その際に給油したガソリンの量を確認する。
- トリップメーターに表示されている距離を、給油したガソリンの量で割る。
「満タン法」を算式にすると、以下のようになります。
燃費(km/L) = トリップメーターの距離(km) ÷ 給油(消費)したガソリンの量(L)
具体例で見ていきましょう。
給油したガソリンの量が「10L」で、トリップメーターの距離が「250km」の場合は、以下のように燃費を求めます。
250km ÷ 10L = 25km/L
このバイクの燃費は25km/Lとなりました。
つまり、1Lのガソリンで25km走行できるということです。
燃費が分かればトリップメーターの距離からガソリンの残量が分かるため、給油すべき最適なタイミングを判断できます。
満タン法で数回計算してみると、より正確な燃費を把握できるでしょう。
なお、バイクの燃費は走行条件などによって変わってくるため、街乗りのときとツーリングのときなど、条件を変えて計算してみることも大切です。
たとえば、街乗りメインのときは燃費が20km/Lくらいまで落ちるが、ツーリングメインのときは28km/Lくらいまで伸びるなど、走り方による燃費の変化を把握できるようになります。
燃料計がなくてもリザーブタンクがあれば大丈夫
通常、キャブレター車には燃料計が付いていませんが、その代わりにリザーブタンクと燃料コックが付いています。
燃料コックを回すことで「ON」「OFF」「RES」の切り替えができます。それぞれの役割・機能は以下のとおりです。
ON(オン)
メインタンクからガソリンを送ります。
通常、走行する際はONにします。
OFF(オフ)
タンクからガソリンが送られない状態です。
バイクに乗らない保管中や整備の際にOFFに入れます。
RES(リザーブ)
リザーブタンクからガソリンを送ります。
なお、リザーブタンクは「予備タンク」という意味ですが、独立したタンクがもう一つあるわけではなく、メインタンクのなかで使い分ける構造になっています。
ONで走行しているときはメインタンクのガソリンを使っていますが、メインタンクのガソリンが少なくなってくるとガス欠症状が出ます。
ですが、このときは本当にガス欠になっているわけではなく、まだリザーブタンクにガソリンが残っています。
そのため、燃料コックをRESに切り替えることでリザーブタンクのガソリンを使うことができます。
リザーブタンクのガソリンで30~50kmくらいは走行できるので、その間にガソリンスタンドで給油できればガス欠になる心配はありません。
リザーブタンクを使ったときに忘れてはいけないのが、「給油したら、燃料コックを必ずONに戻すこと」です。
給油した後もRESのままで走っていると、リザーブタンクのガソリンまで使い切ってしまうため、本当の意味でガス欠になってしまうおそれがあります。
ガス欠症状が出たためRESに切り替えようとして燃料コックを触ったら、すでにRESに入っていたときなどはまさに悲劇でしょう。
どんなライダーでも顔面蒼白です。
くれぐれもガス欠を起こさないよう、RESで走って給油したらONに戻すのをお忘れなく。
まとめ:燃料計の正しい知識を身につけて楽しいバイクライフを!
ガス欠が不安な方は燃料計を後付けすることもできますが、本編でお伝えしたとおり、燃料計の正確性はそれほど信用できるものではありません。
燃料計ばかりを頼りにせず、燃費と走行距離からガソリンの残量を意識するクセを付けましょう。
燃料計の取り付け以外のバイクカスタムに関しては、以下の記事も参考にしてください。
>> バイクのヘッドライト交換方法や種類(LED・HID)をまとめて解説!
>> バイクのタイヤ交換方法、タイミング、工賃をまとめて解説
>> バイクにスライダーを装着して転倒や立ちごけから愛車を守る!
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