バイクで雪道を走るのは危険なので、基本的には避けるべきです。
しかし、生活の足としてバイクを使っている方は雪道でも走らざるを得ないケースもありますし、ツーリングに出かけた先で雪が積もっていたり、雪が降ってきたりする場合もあるでしょう。
今回は、バイクで雪道をできるだけ安全に走るためのタイヤや運転テクニック、注意点などについて解説していきます。
当ページの内容については、お客様のためのお役立ちコラムとして連載しておりますが、当社はバイクパーキングの運営会社ですので、ページ内容に関する個別対応はいたしかねます。
バイクの正しい引き起こし方
バイクで立ちごけしてしまったら、「誰かに手伝ってもらって、引き起こせばいい」と考えている方もいるかもしれません。
ですが、ライダーなら自分の愛車を自分一人で引き起こせるスキルは身に付けておきたいものです。
順を追って、バイクの正しい引き起こし方を解説していきます。
STEP01:エンジンを切る
立ちごけ・転倒して自分の身が無事であれば、まずバイクのエンジンを切りましょう。
キーを回せない状態であればキルスイッチを使います。
STEP02:足場を整える
引き起こしをする際、足場に砂利などがあるとすべってしまいます。
足場を確認して、砂利などがあればどかしておきましょう。
STEP03:タイヤが回らないようにする
バイクを引き起こしするとき、タイヤが回る状態になっていると前後に動いてうまくいきません。
そのため、タイヤが回らない状態にしておきます。方法は、左側に倒れた場合と右側に倒れた場合で異なります。
バイクが左側に倒れた場合
バイクが左側に倒れた場合、シフトペダルが下になるので操作できないケースがあります。
ギアが入った状態で倒れていれば、リアタイヤは回転しないので問題はありません。
もし、ニュートラルの状態で倒れてしまったら、フロントブレーキをかけた状態にしてフロントタイヤが回らないようにします。
紐やテープ、ビニール袋などをブレーキレバーとグリップに巻き付けて、ブレーキが効いている状態にしましょう。
バイクが右側に倒れた場合
バイクが右側に倒れた場合は、シフトペダルが上になるので操作できます。
ギアが入っていればそのままで大丈夫ですが、ニュートラルの状態で倒れてしまった場合は、シフトペダルを操作してニュートラル以外のギアに入れましょう。
なお、バイクが右側に倒れた場合は、引き起こしの前にサイドスタンドを出すのをお忘れなく。
引き起こしたときに、勢い余って反対側に倒れないようにするためです。
STEP04:ハンドルを切る
バイクが左側に倒れたときはハンドルを左側に、右側に倒れたときはハンドルを右側に切ります。
倒れ方によっては難しい場合もあると思いますので、できる範囲で構いません。
STEP05:両手でバイクをつかむ
両手でバイクをつかみます。
左側に倒れたときは、左手で左ハンドルを持ち、右手でバイクの後方にあるタンデムバーなどの安定した場所を持ちます。
このとき、左手でクラッチを握るとタイヤが動いてしまうので、ハンドルだけ握るようにしましょう。
右側に倒れたときは、右手で右ハンドルを持ち、左手でタンデムバーなどを持ちます。
STEP06:車体に上半身を密着させ、クラウチングスタートの姿勢をとる
車体(シートのあたり)に上半身を密着させます。
このとき、両足を揃えてしゃがみこんだ姿勢はNGです。
左右の足を前後にずらし、片方の膝を立てた状態で「クラウチングスタート」のような姿勢をとりましょう。
STEP07:バイクを引き起こす
上半身で車体を押し、膝を伸ばすようにしてバイクを引き起こします。
このとき、腕の力ではなく足の力を使う意識が重要です。
また、力を入れる方向は上ではなく、前(向こう側)のイメージです。
車体が起きてきたら体だけで支えて両手でハンドルを持ちます。
左側に倒れた場合は、最後にサイドスタンドを出して地面に付けましょう。
バイクを引き起こしする際のコツ・注意点
バイクの引き起こしをする際のポイントは、「足の力を使うこと」と「前にジワッと力をかけること」です。
どれだけ腕力に自信のある人でも、腕の力だけでバイクを引き起こすのは困難です。
強引に腕の力で引き起こそうとすると、ぎっくり腰など腰を痛めてしまう可能性があります。
全身の筋肉のなかでもっとも強くて大きいのが大腿四頭筋、つまり太ももの筋肉です。ですから、太ももの筋肉を使う意識が大切です。
膝を伸ばす力を腰から背骨へと伝え、上半身で引き起こすイメージを持ちましょう。
腕の力は、あくまでもバイクをつかむために使います。
この「体の使い方」さえ覚えてしまえば、小柄な方や女性の方でも十分にバイクの引き起こしは可能です。
また、上に向かって力をかけるのもNGです。
そもそも、上に力をかけようとすると腕の力に頼りがちになってしまいます。
倒れたバイクが元の状態に戻るときは、タイヤを起点として車体が弧を描くように動くはずです。
最初にバイクを浮かせるときは上への力も必要になりますが、浮かせた後は、前(向こう側)へ力をかけることを意識しましょう。
陸上のクラウチングスタートも、上に飛ぶわけではなく前に走るための準備姿勢です。
バイクを「上に持ち上げる」のではなく、「向こう側に押し出す」ことを意識して踏ん張るとうまくいきます。
膝を伸ばす力を存分に使って、ジワッと力を加えましょう。
エンジンガード&スライダーのすすめ
バイクの立ちごけ・転倒対策として効果を発揮するアイテムが、「エンジンガード」や「スライダー」です。
エンジンガードとは?
バイクのエンジンガードは、転倒などの際にバイクのエンジンを保護するための金属製のパイプのことで、一般的には膝の前あたりに装着します。
白バイや教習車に取り付けられているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
バイクはエンジンがむき出しになっている車両も多く、転倒によって大きなダメージを受けるケースがあります。
そんなとき、エンジンガードを装着していると、前後のタイヤとエンジンガードの3点が地面に接触する形になるので、エンジンやタンクなどのダメージを最小限にすることができます。
また、立ちごけ・転倒したバイクを引き起こす際も、エンジンガードがあることで浮いた状態になるので、引き起こしが楽になります。
スライダーとは?
バイクのスライダーとは、転倒時にバイクが受けるダメージを最小限にするためのパーツです。
目的はエンジンガードと同じですが、考え方が違います。
エンジンガードが金属製のパイプで衝撃を「受け止める」のに対し、エンジンスライダーはゴムや樹脂でできており、転倒時に車体をすべらせることで衝撃を「逃がす」のが特徴です。
バイクのスライダーについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
>> バイクにスライダーを装着して転倒や立ちごけから愛車を守る!
まとめ:バイクの正しい引き起こし方をマスターしてトラブルに対処しよう!
バイクで立ちごけしたとき、「自分で引き起こしができるかどうか」は非常に重要です。
引き起こしの練習をすることはできませんが、万が一に備えて、手順やコツは押さえておきましょう。
なお、バイクの立ちごけは狭い駐車場内で起きるケースが少なくありません。
スペースに余裕がないと取り回しが窮屈になり、バイクを反対側(右側)に倒してしまう例が多いようです。
このような立ちごけを避けるためには、アイドゥのバイク駐車場がおすすめです。
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バイク同士の間隔も広いので、隣の人が倒してしまったり地震が起きたりしても、ドミノ倒しになる心配がありません。
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