バイクで雪道を安全に走るためのタイヤ&運転テクニック

バイクで雪道を安全に走るためのタイヤ&運転テクニック

バイクで雪道を走るのは危険なので、基本的には避けるべきです。
しかし、生活の足としてバイクを使っている方は雪道でも走らざるを得ないケースもありますし、ツーリングに出かけた先で雪が積もっていたり、雪が降ってきたりする場合もあるでしょう。
今回は、バイクで雪道をできるだけ安全に走るためのタイヤや運転テクニック、注意点などについて解説していきます。

【目次】

当ページの内容については、お客様のためのお役立ちコラムとして連載しておりますが、当社はバイクパーキングの運営会社ですので、ページ内容に関する個別対応はいたしかねます。

バイクで雪道を走るのは危険!

雪道はすべりやすいので、バイクを運転しようにもハンドル操作やブレーキ操作が思うようにいきません。
バイクはタイヤが2つしかないうえに曲がるときに車体を傾けることもあり、雪道では特にスリップしやすく、ちょっとしたことでバランスを崩してしまいます。
転倒のリスクが高いため、基本的に雪道をバイクで走るのは避けるべきです。

しかし、通勤など生活の足としてバイクを使っている方は、雪道でも走らざるを得ないケースがあるでしょう。
このように雪道を走らざるを得ない場合は、雪道を走るためのタイヤに履き替えることと、雪道ならではの運転を心がけることが大切です。

バイクで雪道を走るときはタイヤを履き替える!

凍結・積雪している道路をノーマルタイヤで走行することは、都道府県が規定する道路交通法施行細則、または道路交通規則で禁止されていることがほとんどです。
危険性が高いだけでなく法令に抵触することになるので、ノーマルタイヤで運転するのは避けなければいけません。

雪道を走行するときは、雪道でもすべりにくいタイヤに履き替えるようにしましょう。
雪道を走るためのタイヤは大きく、「スタッドレスタイヤ(スノータイヤ)」「スパイクタイヤ」「チェーン」の3種類があります。

スタッドレスタイヤ(スノータイヤ)

車に乗る方はご存じかと思いますが、バイクにもスタッドレスタイヤがあります。
バイクの場合は、「スノータイヤ」と呼ばれたりしますが、車で言うスタッドレスタイヤと同じです。

スタッドレスタイヤは、積雪路や凍結路を走行するために開発されたタイヤの一種。
ノーマルタイヤに比べて駆動力・制動力をより大きく路面に伝える工夫がされているため、雪道でもタイヤが空回りしにくく、比較的安定して走行することができます。
ただし、凍結した路面(アイスバーン)では効果はありません。

雪が降ったり溶けたりしてアスファルトが見えるような路面では、スタッドレスタイヤが有効です。
雪がない路面ではノーマルタイヤに近い乗り心地なので、しばらく雪が降らない期間があってもスタッドレスタイヤのまま走行することができます。
ただし、乾いた路面で使用し続けると消耗しやすく寿命が短くなってしまいます。

後述するスパイクタイヤは、タイヤにスタッド(金属のピン)を埋め込むことですべりにくくしていますが、スパイクタイヤのような「スタッドが無い」という意味で、スタッドレスタイヤと呼ばれます。
なお、スタッドレスタイヤは基本的に排気量の少ないバイク用にラインナップされており、排気量が多いバイクに適合するものはほとんどありません。

スパイクタイヤ

雪道において、スタッドレスタイヤを上回る効果を発揮するのがスパイクタイヤです。
スパイクタイヤは、スタッド(金属のピン)が埋め込まれたタイヤのことで、スタッドが路面をがっちり捉えるため、タイヤの空回りや横滑りを抑えることができます。
圧雪の路面でもアイスバーンでも効果を発揮するのは、スパイクタイヤのメリットだと言えるでしょう。
ただし、スパイクタイヤを履けるのは125cc以下のバイクに限られています。

また、スパイクタイヤでアスファルトが見えるような路面を走ると、スタッドと路面が擦れ合って粉塵の原因になります。
そのため、降雪量が少ない地域では使えませんし、降雪量が多い地域でも冬場しか使えません。
降雪量が多い雪国でバイクに乗る方や、早朝や夜など凍結路面を走ることが多い方はスパイクタイヤを履くのが良いでしょう。

タイヤチェーン

タイヤチェーンは文字どおり、既存のタイヤに装着するチェーンのことです。
バイクの場合、通常は後輪のみに装着します。
タイヤチェーンを装着すると雪道でもしっかりグリップしてくれるため、比較的安定した走行ができます。

ただし、スピードは低速になりますし長距離走行にも向きません。
また、摩耗しやすいため、アスファルトがむき出しになった道路を長く走っているとチェーンが切れてしまうことがあります。
着脱に手間がかかるのも、タイヤチェーンのデメリットだと言えるでしょう。

なお、タイヤの空気圧を低めにするとタイヤと路面の接地面積が大きくなり、そのぶんグリップ性能が向上しますが、これは雪道を走る場合にも有効です。
スタッドレスタイヤやスパイクタイヤを履いていることが前提になりますが、空気圧を低めにすることで雪道での安定性が高まります。
ただし、空気圧を下げたタイヤでアスファルトを走るとタイヤの寿命が縮まってしまうため、注意が必要です。

バイクで雪道を走るときはタイヤを履き替える!

バイクで雪道を走るときのテクニック&心得

そもそもバイクにはタイヤが2つしかないので、スタッドレスタイヤやスパイクタイヤを履いていたとしても、雪道で普段どおりの運転をしていたら転倒して痛い思いをすることになります。
タイヤに履き替えるだけでなく、「雪道ならではの運転テクニック」を実践することも重要です。
バイクで雪道を走る際のテクニックや心得についてご説明します。

雪道ではスピードを落とす!

バイクで雪道を走るときは、スピードを落とすのが鉄則です。
どの程度の雪道なのかによっても変わってきますが、目安の速度は10~20km/h程度です。自転車(ママチャリ)くらいのスピードで走ると覚えておきましょう。
転倒のリスクを避けるとともに、万が一転倒してしまったときのダメージを最小限にするには、スピードを落とすほかありません。

雪道ではフロントブレーキは使わない!

バイクで雪道を走るときは、フロントブレーキを使ってはいけません。
フロントブレーキを使うと前輪がロックして、転倒につながる恐れがあります。
減速する際は、まずエンジンブレーキで速度を落とし、必要に応じてリアブレーキを使います。
リアブレーキを使うときも急ブレーキは厳禁で、ジワッとゆっくりブレーキをかけましょう。

雪道ではすぐに両足を着ける体勢で運転する!

バイクで雪道を走るときは、両足をすぐに地面に着けるような体勢で運転しましょう。
こうしておけば、スリップしたときにも足が着くため、体勢を立て直しやすくなります。
特に、シャーベット状になった雪道や轍のある雪道はハンドルを取られやすいので、両足を交互に地面に着きながら走行するのがおすすめです。
また、曲がるときも車体を傾けるのではなく、足を着きながら少しずつハンドルを切って方向転換をします。

雪道では無理をしない!

雪道に限った話ではありませんが、路面状況が悪い日はできるだけバイクに乗るのは避けましょう。
もし、ツーリング先で雪道に出くわしてしまったら、あきらめて引き返すという判断も大切です。
急に雪が降ってきた場合はバイクを駐められる場所を探して、公共交通機関で帰宅し、後日晴れた日に回収するのも一つの手です。
無理に雪道を運転して、事故に遭ってしまったら悔やむにも悔やみきれません。

雪道では無理をしない!

まとめ:バイクでの雪道走行は十分に気をつけよう!

雪道では「バイクを乗らない」のがもっとも安全な方法です。
どうしても乗らざるを得ない場合は、本編でお伝えしたとおり、タイヤを履き替えること、そして雪道ならではのテクニックを意識して走行することが大切です。

また、バイクで雪道を走るためには防寒対策が欠かせません。
バイクの防寒対策については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
>> バイクの防寒対策をライダーが徹底解説【寒さに負けず冬も乗りたい!】

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