ライダーのみなさま、「ヤエー」をご存じでしょうか? ヤエーとは、ライダー同士がツーリング中に交わす挨拶のことです。
ヤエーを知らない人でも、もしかしたら、すれ違うライダーにヤエーをされているかもしれません。
今回は、ヤエーの意味や成り立ち、やり方や注意点などについてお伝えしていきます。
当ページの内容については、お客様のためのお役立ちコラムとして連載しておりますが、当社はバイクパーキングの運営会社ですので、ページ内容に関する個別対応はいたしかねます。
ヤエーとは?
ヤエーとは、ライダー同士がすれ違うときにピースサインや挙手などをして、挨拶を送り合うことを言います。
まだヤエーと呼ばれる前の話ですが、ライダー同士のハンドサインによる挨拶は80年代のアメリカで始まったと言われています。
日本でもライダー同士が同様の挨拶をしていたようですが、現在ほど一般的なものではありませんでした。
しかし近年になって、InstagramなどのSNSやYouTubeなどの動画配信サービスが普及し、いわゆる「モトブログ」というジャンルも確立しました。
その結果、SNSやYouTubeなどにツーリング動画がたくさんアップされるようになり、ヤエーの文化も広く知られるようになったようです。
モトブログについては以下の記事で詳しく解説しています。
モトブログとは?バイクライフを動画で魅力的に伝えよう!
ちなみに、もともとの呼称は「イエー(YEAH!)」でしたが、2ちゃんねるで「ヤエー(YAEH!)」というスペルミスが生まれたのをきっかけに、ヤエーという呼び方で定着したようです。
ヤエーには「道中お気をつけて」の意味も
ヤエーはライダー同士の単なる挨拶ではなく、「道中お気をつけて」という意味も含まれています。
同じライダー同士、お互いの安全を願うということです。
また、地元のライダーが訪れたライダーを歓迎する意味でヤエーすることもあるようで、「よく来たな!」「楽しんで行ってね!」といった想いが込められています。
バイク用品店のナップスがおこなった「ライダーのツーリングに関する実態調査」では、「ツーリングなどバイク走行時に、ヤエーをされた経験があるか?」という設問に対し、「ある」と回答したライダーが84.8%、「ない」と回答したライダーが15.2%という結果が出ています。
実に8割以上のライダーがヤエーの経験があるということで、ライダー間のコミュニケーションとしてヤエーが広く認知されていることが伺えます。
ヤエーのやり方
もともと、ヤエーは片手でピースをするのが原型でした。
しかし、最近はピース以外にも「ガッツポーズをする」「片手をあげる」「手を振る」「親指を立てる(サムズアップ)」「会釈をする」「両手をあげる」「立ち上がってピースする」など、様々なやり方があります。
さすがに、両手をあげたり、立ち上がってピースしたりするのは危険ですが、基本的にはどんな形でもヤエーになります。
自分なりのやり方で、ヤエーをどんどんやってみましょう。
ヤエーをする相手
ヤエーはツーリング中、団体同士がすれ違うときにおこなわれるケースが多いですが、単独のライダー同士でもおこないます。
また、ヤエーをする相手は必ずしも対向車である必要はなく、たとえば停車しているライダーにヤエーをしてもOKです。
速いバイクを先に行かせるときに親指を立てて、「気を付けて」「グッドラック」といったニュアンスでヤエーをすることもあります。
ヤエーをするシチュエーション
ヤエーは基本的にツーリング先でおこなわれますが、特にルールがあるわけではなく、自由にヤエーをして構いません。
基準があるとしたら、「今、気持ち良く走れているか?」ということでしょう。
自分が気持ち良く走れている場所では、おそらく同じ場所にいるライダーはみんな同じ喜びを感じているはず。
そんなシチュエーションなら、ヤエーをするのに最適だと言えるでしょう。
ヤエーをする際の注意点
バイクの運転は安全第一です。
ヤエーはライダー同士の気持ちの良い挨拶ですが、ヤエーをして事故を起こしてしまったら本末転倒です。
ヤエーをする際は、以下のことに注意しましょう。
カーブ中はヤエーをしない
ヤエーをするということは、ハンドルから片手を離すということであり、カーブなどでハンドルを操作しているときに片手運転になるのは危険です。
ヤエーをするとしても会釈程度で済ませましょう。
クラッチやブレーキの操作中はヤエーをしない
加速・減速のためクラッチやブレーキを操作しているときも、ヤエーはしないようにしましょう。
カーブと同じ理由で、ハンドリング操作中に片手を離すのは危険です。
無茶なヤエーはしない
ヤエーのやり方は自由ですが、両手をあげたり立ち上がったりするのはやりすぎです。
自分自身の運転が不安定になるだけでなく、相手を驚かせてしまい事故を誘発するおそれがあります。
少し手前からヤエーをする
ヤエーをされた側は、「ヤエーを返さなきゃ」という心理になるものです。
もし、すれ違う直前でヤエーをすると、相手は早く返さなきゃと焦ってしまい、ハンドリングミスをしてしまうかもしれません。
少し手前から、相手に分かりやすいようなヤエーを心がけましょう。
路面が悪いときはヤエーをしない
路面が悪条件の場合はヤエーを控えましょう。
雨の日や強風の日は、片手を離すことでスリップしたりバランスを崩したりするリスクが高くなります。
デコボコした路面や未舗装の路面も同様です。
無理にヤエーを返さない
ヤエーをされた人は、条件反射的に「返さなきゃ」という心理になりますが、安全が損なわれるようならヤエーを返す必要はありません。
どうしても返したいときは、会釈などでヤエーを返すのが良いでしょう。
ヤエー返しがなくてもヘコまない
ヤエーをしたのに相手から返事がないと、少し寂しいものがあります。
人によっては腹を立てるかもしれません。
ですが、相手がヤエーに気付いていないケースもありますし、安全確保のためにヤエーを返せない場合もあります。
ヤエーそのものを知らないライダーからしたら、「急にピースをしてくる変な人がいた」くらいにしか思われません。
ヤエーは相手に強要するものではないので、ヤエー返しがなくても気にせず、おおらかな気持ちでいましょう。
ヤエーには反対意見も!?
旅先でヤエーをされるのは嬉しいもので、初めてヤエーをされたライダーは感動すら覚えると言います。
しかし、一部にはヤエーを快く思わないライダーもいるようで、SNSでは「うざい」「面倒くさい」といった意見も見られます。
上述したナップスのアンケートでは、「ヤエーに対してどのような印象を持っているか?」という設問に対し、「とても良い印象」が44.8%、「どちらかというと良い印象」が33.8%と、8割近いライダーは好印象を持っていることが分かりました。
一方で、「とても悪い印象(1.6%)」「どちらかというと悪い印象(2.6%)」と、一部には悪い印象を持つライダーがいることも分かりました。
少数派とはいえ、不快に思う人がいるということは念頭に置いておきましょう。
まとめ:ヤエーのやり方や注意点を知ってバイクライフをより楽しく!
ヤエーをしたくても、なかなか自分からできないという方もいるでしょう。
シャイな日本人にとって、初めてのヤエーは少しハードルが高いかもしれません。
そんな方は、「自分と同じバイク」に乗っているライダーを見つけて、ヤエーをしてみてはいかがでしょうか。
同じバイクに乗るライダーは見かけるだけで嬉しいものですし、ヤエーをすることで特別な連帯感が生まれます。
相手もきっと笑顔でヤエーを返してくれるでしょう。
一度、ヤエーをしてその気持ち良さを知ったら、それ以降は気軽にヤエーができるようになります。
ぜひバイクを楽しむライダー同士、ヤエーという素晴らしい文化を広げていきましょう。
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