バイクを安全&快適に運転するためには、クラッチの遊び調整が重要です。
クラッチの遊びが適切でないと、「クラッチが切れない」「ニュートラルに入りにくい」「クラッチが滑る」といった不具合の原因にもなります。
今回は、バイクのクラッチの遊びが適切でない場合に起きるトラブルや、クラッチの遊びの調整方法などについて解説していきます。
- 【目次】
当ページの内容については、お客様のためのお役立ちコラムとして連載しておりますが、当社はバイクパーキングの運営会社ですので、ページ内容に関する個別対応はいたしかねます。
バイクのクラッチの種類
バイクのクラッチは、「油圧式」と「ワイヤー式」の2種類があります。
油圧式なのかワイヤー式なのかは、クラッチレバーにオイルを入れる容器が付いているかどうかで判断できます。
クラッチレバーに容器が付いていれば、そのバイクは油圧式クラッチです。
小型モデルやスポーツモデルなどはワイヤー式のクラッチが多く、大型バイクなど操作に力が必要なバイクは油圧式のクラッチが主流になっています。
ワイヤー式クラッチ
ワイヤー式クラッチは、ワイヤーの押し引きによってクラッチの開閉を行うもので、操作時にダイレクト感があるのが特徴です。
ワイヤーの抵抗があるため、クラッチレバーを握ったままキープするときも比較的楽にキープできます。
ワイヤー式クラッチは、ワイヤーが伸びることでクラッチの遊びが変わってくるので、定期的な遊び調整が必要です。
油圧式クラッチ
油圧式クラッチは、油圧の力を使ってクラッチの開閉を行います。
メンテナンスフリーを目指して開発されたクラッチなので遊びが変化することはなく、基本的に遊びの調整は不要です。
メンテナンスと言えば、定期的にクラッチオイル(クラッチフルード)を交換するくらいでOKです。
油圧式クラッチは、操作時のダイレクト感が乏しく、慣れないうちは違和感を覚える方もいるかもしれません。
ワイヤー式に比べて操作は軽いものの、握ったままキープするのに一定の握力が必要なので、渋滞などで握り続けていると手が疲れることがあります。
バイクのクラッチは遊び調整が大事!
バイクのクラッチは、握り始めてから効き始めるまでに「遊び」と呼ばれる範囲があります。
クラッチの遊びの量が適切でないと、「クラッチレバーを離してもクラッチが完全につながらない」「クラッチレバーを握ってもクラッチが完全に切れない」といった状態になることがあり、運転に支障が出るだけでなく、クラッチ盤が損傷する原因にもなってしまいます。
このようなトラブルを避けるためには、クラッチの遊びを適切な量に調整しておくことが重要です。
クラッチの遊びの量は、一般的に10mm~20mmの間に収まっているのが適切だとされています。
これは、半クラッチに入るまでに10mm握るか、20mm握るかの違いです。
わずかな違いに思えるかもしれませんが、操作性は大きく変わってきます。
クラッチがつながったり切れたりするタイミングが、自分が意図したタイミングとズレていると、発進やシフトチェンジがスムーズにいかずに事故につながるケースもあります。
手の大きさや指の長さには個人差があるので、自分に合った遊びの量を見つけることが大切です。
また、新車のバイクはワイヤーの「初期伸び」がありますし、その後も時間とともに徐々に伸びてくるので、定期的に遊びを調整するようにしましょう。
クラッチの遊びが適切でない場合に起きるトラブル
クラッチの遊びを調整しないまま乗り続けていると、以下のようなトラブルが生じることがあります。
クラッチが切れない(切れが悪い)
クラッチが切れない場合、もしくは切れが悪い場合は、クラッチの遊びの量が多い可能性があります。
調整して遊びの量を減らしてみましょう。
そのままの状態で乗っていると、フリクションプレートが焼けてしまったり、クラッチ盤の摩耗によってエンジン内にスラッジが溜まったりして、バイクに深刻なダメージを及ぼすおそれがあります。
ニュートラルに入りにくい
ギアがニュートラルに入りにくい場合も、クラッチの遊びの量が多い可能性があります。
調整して遊びの量を減らしてみましょう。
加速時にクラッチが滑る
加速するときにクラッチが滑る場合は、クラッチの遊びの量が少ない可能性があります。
調整して遊びの量を増やしてみましょう。
クラッチの遊びの調整方法
ワイヤー式クラッチの遊びは基本的にはハンドル側で調整し、ハンドル側で調整できなくなったらエンジン側で調整します。
ハンドル側でクラッチを調整する
クラッチレバーの根元には、ロックナットとアジャスターが付いています。
根元にゴムのカバーがかかっている場合は、カバーをめくればロックナットとアジャスターが見えるはずです。
アジャスターを回すことで遊びの量を調整することができます。
遊びの量を増やしたいときは、アジャスターを回して、アジャスターとロックナットの間隔を狭くします。
遊びの量を減らしたいときは、アジャスターを逆に回して、アジャスターとロックナットの間隔を広くします。
上述のとおり、クラッチの遊びの量は10mm~20mmの範囲内に収まるように調整しましょう。
また、クラッチレバーを軽く引いて遊びをなくしたときに、人指し指と中指の第一関節がレバーに引っかかるくらいが丁度良い状態だと言われます。
その際は、素手ではなくグローブを着けた状態でチェックするようにしましょう。
エンジン側でクラッチを調整する
バイクによって位置は変わりますが、通常、エンジンの横あたりからクラッチワイヤーが出ており、2つのナットでエンジンと固定されています。
左右のナットを締めたり緩めたりすることで遊びの量が変わるので、クラッチを握って変化を確かめながら調整してみましょう。
油圧式クラッチの場合
油圧式クラッチの場合は、遊びの調整は不要です。
ただし、クラッチレバーの距離(遠さ・近さ)によって握りやすさが変わるので、しっくりこない場合は距離を調整するのが良いでしょう。
クラッチレバーの距離を調整したい場合は、アジャスター付きのクラッチレバーを使うのがおすすめです。
アジャスター付きのクラッチレバーであれば、アジャスター(丸いダイヤル)を回すだけで簡単にレバーの距離を変えることができます。
握りやすい距離に調整することで、操作性は大きく向上するでしょう。
また、油圧式クラッチの場合、クラッチオイル(クラッチフルード)を定期的に交換する必要があります。
クラッチオイルの交換を怠っているとエア噛みが起こりやすくなり、ギアチェンジが不安定になります。
交換のタイミングは、新車時(前回の交換時)から約5年、もしくは約50,000km走行時を目安にしてください。
まとめ:正しくクラッチの遊びを調整してバイクライフをもっと楽しく!
クラッチの遊びは、少し調整するだけで操作性が大きく変わってきます。
普段から遊びの量を意識して、定期的に調整するようにしましょう。
クラッチの遊び調整に限らず、バイクのメンテナンスは屋根のある広々としたスペースでおこないたいものです。
ご自宅にガレージなどのスペースがない方は、ぜひアイドゥのバイク駐車場をご利用ください。
屋内駐車場で一つひとつの区画が広めなので、落ち着いてメンテナンスをしていただけます。
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