プラグの清掃・交換は、バイクのメンテナンスのなかでも基本的な作業の一つです。
プラグの劣化が進むとエンジンのパフォーマンスが低下するだけでなく、エンジンにダメージを与えてしまう可能性もあります。
比較的簡単なメンテナンスなので、ライダーであればプラグの清掃や交換はしっかりマスターしておきたいところです。
今回は、プラグの交換時期や清掃方法・交換方法、プラグかぶりの対処法などをまとめて解説していきます。
当ページの内容については、お客様のためのお役立ちコラムとして連載しておりますが、当社はバイクパーキングの運営会社ですので、ページ内容に関する個別対応はいたしかねます。
スパークプラグとは?
プラグ(スパークプラグ)は、エンジン内でガソリンと空気の混合気に点火するための点火装置です。
プラグに電気を流して火花を飛ばし、エンジン内で混合気を爆発させることでバイクは大きな動力を得ています。
ライターに火をつけるとき、火花を散らして発火しますが、バイクのプラグも同じ原理です。
なお、プラグはシリンダーに1本ずつ取り付けられているので、2気筒のエンジンなら2個、4気筒のエンジンなら4個のプラグが付いています。
スパークプラグの交換時期の目安
スパークプラグの大手メーカーであるNGK(日本特殊陶業株式会社)は、バイクのプラグ交換の目安として「走行距離:3,000km~5,000km」を推奨しています。
※参考:プラグの点検・交換 - プラグの基礎知識|NGKスパークプラグ製品サイト
プラグ(スパークプラグ)は消耗品です。
劣化が進むと火花が飛びにくくなるなどして、混合気を安定して燃焼させられなくなるため、様々な不具合が出てきます。
然るべきタイミングで、新しいプラグに交換しなければいけません。
ただし、走行距離はあくまでも目安です。
普段バイクを運転していて、エンジンがかかりにくかったり、アイドリングが不安定だったりする場合は、走行距離にかかわらずプラグのメンテナンス(清掃)や交換をするようにしましょう。
プラグの点検方法
プラグ(スパークプラグ)の点検をするときは、発火部の色をチェックするのがポイントです。
発火部の色(焼け具合)を見れば、エンジンやプラグの状態を把握できます。
発火部がキツネ色:正常
運転直後のプラグを取り外してみて、発火部がキツネ色~薄キツネ色になっていれば問題はありません。
プラグのコンディションは正常で、しっかりと機能を発揮している状態だと判断できます。
発火部が真っ白:焼けすぎ
プラグの発火部が真っ白になっていたら、焼けすぎの状態です。
異常燃焼(プレイグニッション)を起こしている可能性があります。
異常燃焼を起こしているとプラグの電極溶解を招く原因になるほか、燃焼室内が異常過熱され、最悪の場合、エンジンに損傷を与えてしまうことがあります。
発火部が真っ黒:くすぶり
プラグの発火部が真っ黒になっていたら、くすぶりの状態です。
くすぶりはプラグの発火部にカーボン(すす)が付着している状態なので、電気が逃げて失火を起こす原因になります。
そのため、エンジンの始動性が悪くなります。
電極が丸みを帯びている:電極消耗
プラグの発火部の電極の角がとれ、丸みを帯びていたら、電極消耗の状態です。
プラグは、何度も火花を飛ばしているうちに電極が消耗して「火花ギャップ」が広がっていきます。
火花ギャップとは、プラグの中心電極とカギ状に曲がった側方電極のすき間のこと。
火花ギャップが広がっていくと火花の飛びが悪くなり、エンジンの始動性が悪くなったり、アイドリング時にエンストしたりするようになります。
プラグの清掃方法・交換方法と注意点
プラグ(スパークプラグ)に「焼けすぎ」「くすぶり」「電極消耗」の状態が見られる場合は、プラグの清掃・交換が必要です。
プラグの清掃・交換をする際はまず、エンジンの燃焼室へホコリやゴミが入らないようにプラグ周辺を掃除してからプラグを取り外します。
プラグの清掃方法
プラグの発火部が真っ黒になってくすぶっていた場合は、プラグクリーナーを使って付着したカーボン(すす)を落とします。
プラグ清掃の際は、ワイヤーブラシを使わないようにしましょう。
ワイヤーブラシなどの硬いブラシを使うと、かえってプラグが損傷してしまい、正常に電気が流れなくなる可能性があります。
ブラシを使う場合は、ナイロン製などのやわらかいブラシを使うようにしてください。
プラグの交換方法
古いプラグを取り外し、新しいプラグに差し替えます。
プラグレンチを使って慎重にネジを締め、最後にプラグキャップをはめます。
プラグ交換の際は、プラグの締め過ぎや締め付け不足に注意しましょう。
締め付けがきつすぎてもゆるすぎても、プラグやエンジンに不具合を招くおそれがあります。
また、差し込む際に斜めになっているとネジ山の傷やネジ切れの原因になるので注意が必要です。
プラグかぶりの対処法
バイクのよくあるトラブルの一つが「プラグかぶり」です。
インジェクション車であればプラグかぶりはほとんど起きませんが、キャブ車の場合は多くの人がプラグかぶりを経験していると思います。
そもそもプラグかぶりとは、プラグ(スパークプラグ)がガソリンやオイルを被ってしまった状態を言います。
プラグを外してみたとき、プラグが濡れているのですぐに分かるでしょう。
なお、プラグがカーボンを被って真っ黒になっている状態もプラグかぶりの一種ですが、上述のように「くすぶり」というのが一般的です。
以下では、ガソリンやオイルによるプラグかぶりを前提にご説明します。
プラグかぶりが起きるとうまく火花が飛ばなくなるため、「エンジンがかからない」「エンジンがかかりにくい」「アイドリングが不安定になる」「エンストする」といった症状が現れます。
対処法は、プラグを新品に交換するか、プラグを乾かすかのいずかです。
プラグを乾かす方法をご説明します。
自然乾燥させる
プラグを乾かすシンプルな方法が、自然乾燥です。
ガソリンは放置していれば気化するため、何もせずそのまま待っていればプラグが復活します。
プラグを取り外してウエスなどで拭けば、より早く乾燥させることができるでしょう。
ライターで炙る
自然乾燥を待つにしても、ある程度の時間がかかります。
早く復活させたいときによく使われるのが、ライターで炙って乾かす方法です。
プラグを取り外してライターで炙れば、すぐに正常な状態に戻る可能性があります。
乾燥させてもプラグが復活しない場合は、プラグを交換するしかありません。
ツーリング先でプラグかぶりが起きてしまうと厄介なので、遠出をする際は、予備プラグを持っていくのがいいでしょう。
まとめ:エンジンのパフォーマンスを保つため定期的なプラグ交換を
プラグ(スパークプラグ)はエンジンの性能を左右する重要なパーツです。
エンジンの不調に気付いてからプラグを交換する人もいると思いますが、不具合が起きていなくても定期的に交換するのが理想です。
プラグ交換時の走行距離をメモするなどして、目安として3,000km~5,000km走行するごとに交換するようにしましょう。
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プラグ交換以外のバイクメンテナンス・カスタムについては以下の記事も参考にしてみてください。
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