電気自動車(EV)の新車が続々と登場していますが、それを追いかけるように、電動バイク(電気バイク)も開発が加速しています。
政府は、2030年代半ばに純ガソリン車の新車販売を禁止する見通しであり、東京都の小池百合子知事も「四輪車は2030年まで、二輪車は2035年までに純ガソリン車の新車販売を禁止する」方針を示しました。
今後は、バイクも電動へとシフトしていくのは間違いないでしょう。
そこで今回は、電動バイクの基礎知識や動向について紹介していきます。
電気バイクに関心がある方や、購入を検討されている方などは、ぜひ参考にしてみてください。
当ページの内容については、お客様のためのお役立ちコラムとして連載しておりますが、当社はバイクパーキングの運営会社ですので、ページ内容に関する個別対応はいたしかねます。
電動バイク(電気バイク)とは?
電動バイク(電気バイク)とは文字どおり、電気で動くバイクのこと。
これまでのバイクはガソリンを燃料にしてエンジンの動力で走る仕組みでしたが、電動バイクはバッテリーからモーターに電気を流し、モーターの動力によって走るのが特徴です。
近年、世界的な環境保全への取り組みから、温室効果ガスを排出しない電気自動車が普及しつつありますが、バイクの世界にもその流れは拡大し、電動バイクの開発が急ピッチで進められています。
電動バイクのメリット
電動バイクのメリットとしては、主に以下のような点が挙げられます。
▼環境にやさしい
電動バイクはモーターを動力とするため、ガソリンバイクにように排気ガスを排出することがありません。
▼静か
ガソリンバイクのエンジン音に比べると、モーターで動く電動バイクはとても静かです。
夜間や早朝の住宅地でも、騒音を気にすることなく走行できます。
▼燃料コストが安い
電動バイクはガソリンバイクに比べ、燃料コストが安く済みます。
たとえば、YAMAHA(ヤマハ)のスクーター「Vino」と、同じくYAMAHAの電動スクーター「E-Vino」を比較してみましょう。
●「Vino」の場合
ガソリン1Lでの航続距離は約80km。
ガソリン1Lの価格を130円とすると、1km走行するのにかかるコストは「1.62円」となります。
●電動スクーター「E-Vino」の場合
1回の充電にかかる電気代は約14円。
フル充電での航続距離は約29km。
1km走行するのにかかるコストは「0.48円」となります。
この例でみると、電動スクーターの燃料コストは、従来のスクーターの3分の1以下となります。
▼給油の必要がない
一般的な電動バイクは、バッテリーを外して家庭用のコンセントで充電できます。
ガソリンバイクのように、ガソリンスタンドに行って給油をする必要はありません。
▼故障しにくい
電動バイクはガソリンバイクに比べて構造がシンプルで、構成部品が少ないのが特徴です。
そのため故障しにくく、故障した場合も修理コストを抑えられます。
▼乗り心地が良い
電動バイクはガソリンバイクのような振動がないので、乗り心地が快適です。
また、ATが基本なので、せわしなくクラッチ操作をする必要もありません。
電動バイクのデメリット
電動バイクのデメリットとしては、主に以下のような点が挙げられます。
▼長距離を走れない
電動バイクは、ガソリンバイクに比べて航続距離が短いです。
YAMAHA「Vino」のガソリン満タン時の航続距離は約360kmですが、同じくYAMAHAの電動スクーター「E-Vino」は1回のフル充電で約29kmしか走行できません。
▼充電に時間がかかる
ガソリンバイクがガソリンスタンドで給油をするのに5分もかかりませんが、電動バイクはフル充電するのに時間がかかります。
たとえば、YAMAHAの電動スクーター「E-Vino」はフル充電するのに約3時間かかります。
▼車両価格が高い
電動バイクは高価な大容量リチウムバッテリーを搭載しているため、車両価格も高くなります。
同クラスのガソリンバイクと比べると、1.5潤オ2倍ほどの価格であることが一般的です。
電動バイクに必要な免許
電動バイクはガソリンバイクと同様に、公道を運転するためには運転免許が必要になります。
ガソリンバイクは排気量によって免許の区分が変わりますが、電動バイクには排気量という概念はなく、「定格出力」によって免許の区分が変わってきます。
免許の種類 | 電動バイク(定格出力) | ガソリンバイク(排気量) |
---|---|---|
原動機付自転車免許 | 0.6kW以下 | 潤オ50cc |
小型限定普通二輪免許 | 1.0kW以下 | 潤オ125cc |
普通二輪免許(中型免許) | 20kW以下 | 潤オ400cc |
大型二輪免許 | 20kW超 | 400cc超 |
電動バイクの購入には補助金が使える!
環境保全に貢献できる電動バイクの普及を推進するため、国は補助金(クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金)を支給しています。
また、自治体でも補助金を出しているところがあり、たとえば東京都は「電動バイクの普及促進事業」として、電動バイクの購入に最大で36万円の補助金を支給しています。
それぞれの詳細については、下記より確認してみてください。
>> 令和2年度第3次補正予算案に「災害時にも活用可能なクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」等が盛り込まれました (METI/経済産業省)
>> 電動バイクの普及促進事業 :東京都地球温暖化防止活動推進センター
電動バイク(電気バイク)の課題
ガソリンバイクにはない利点があることから、乗り替えが推奨されている電動バイク(電気バイク)ですが、一方でいくつかの課題があるのも事実です。
最大の課題としては、バッテリーが挙げられるでしょう。
バイクは搭載スペースに限りがあるため、クルマのような大容量バッテリーを搭載できません。
バッテリーの性能が向上しているとはいえ、電動バイクの航続距離はガソリンバイクに遠く及びません。
さらに、バッテリーが高額なので車両価格も跳ね上がります。
補助金を利用できるとはいえ、コストは乗り替えのネックになるでしょう。
また、充電インフラが不足しているのも大きな課題だと言えます。
急速充電器の設置が進んでいますが、今後、電動バイクが増えて充電器が足りなくなれば、「充電の順番待ち」も起こり得ます。
充電器の増設には莫大なコストがかかりますが、電動バイクが本格的に普及するためにはクリアしなければならない課題の一つです。
進化する電動バイク(電気バイク)
現在、各メーカーが販売している電動バイク(電気バイク)は、短距離移動を前提とした小型のバイクが主流です。
しかし、バッテリー性能の向上に伴い、航続距離が長くなった中型・大型の電動バイクも増えつつあります。
特に多くのライダーに注目されているのが、Harley(ハーレー)の電動スポーツバイク「LiveWire(ライブワイヤー)」です。
ハーレーダビッドソンの電動バイク「ライブワイヤー」
2020年12月、ハーレーダビッドソン ジャパンは、同社初の電動スポーツバイク「ライブワイヤー」の日本モデルを初公開しました。
ライブワイヤーは、量販車としては世界初の電動スポーツバイク。
約3秒で時速100kmに到達し、最大航続距離は市街地で235km、高速道路で152kmを確保しています。
また、フル充電までの時間はおよそ1時間です。運転するには大型自動二輪車免許が必要になりますが、道交法では排気量250cc未満の扱いになるため車検はありません。
発表されたベース価格は349万3,600円! 価格や性能について、ライダーからさまざまな感想が聞こえてきそうです。
ハーレーダビッドソン「ライブワイヤー」日本モデルの詳細については、下記より確認してみてください。
>> 2020 LiveWire | Harley-Davidson Japan
まとめ:電動バイク(電気バイク)の今後に注目!
現在、各メーカーが競い合ってハイスペックの電動バイク(電気バイク)の開発を進めています。
「ガソリンバイクがなくなるのは寂しい」という人も多いと思いますが、「電動バイクってどんなだろう」と楽しみにしている人も多いと思います。
今後の動向に注目するのも、ライダーの楽しみの一つになるかもしれません。
電動バイクが普及すれば、駐車場やガソリンスタンドなどの環境・設備も大きく変わっていくはずです。
購入を検討している方は、充電可能な設備や駐車場がどこにあるのかも事前にチェックしておくことが大切になります。
バイクパーキング「アイドゥ」は東京を中心とした首都圏で、屋内自走型のバイク駐車場を展開しています。
ハーレーやBMWなどの電動バイクの充電にも対応可能な200Vまでの充電設備を備えた駐車場もあり、今後も各駐車場に設置を進めていく予定です。
電動バイクには充電できる環境が必須。BMWなどの電動バイクには200Vの充電設備が必要です。 | 高円寺にあるアイドゥのバイク駐車場には、日本車用から輸入車電動バイクまで充電可能な100V潤オ200Vに対応した充電設備があります。 |
その他にもアイドゥにはさまざまな特長があります。
ライダーがライダーのために理想のバイク駐車場を追求したアイドゥの特長は、以下のページをご覧ください。
>> アイドゥの特長|二輪月極駐車場ならバイクパーキング アイドゥ
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