冬が来るたび、「防寒対策、どうしよう・・・」と考えるのがバイク乗りというもの。
しかし、「この防寒対策が最強!」という正解にたどり着く人は少なく、多くのライダーはより快適な運転を求め、毎年違った防寒アイテムを購入したり試したりしています。
そこで今回は、寒さに負けず、冬でも快適に運転したいライダーのみなさまに向け、バイクの防寒対策について解説していきます。
冬のツーリングを計画している人はもちろん、毎日、通勤などで寒空の下を走る人もぜひ参考にしてください。
当ページの内容については、お客様のためのお役立ちコラムとして連載しておりますが、当社はバイクパーキングの運営会社ですので、ページ内容に関する個別対応はいたしかねます。
冬のバイクは寒さ対策が必須!
バイクの防寒対策についてお話しする前に。
そもそも、冬にバイクの乗るときに防寒対策をするのは何のためでしょうか?
「そんなの、寒いからに決まっている!」という声が聞こえてきそうですが、残念ながら不正解。
答えは、事故防止のためです。
寒くなって体が冷えると、手がかじかんだり筋肉が固くなったりして、体が思うように動かなくなります。
そうなると、手元・足元の操作ミスが起きやすくなります。
さらに注意したいのが「集中力の低下」です。
寒くなると脳への血流が低下して、集中力が散漫になります。
そうなると、道路状況への反応が遅れがちに・・・。
バイクの運転中は、コンマ何秒の遅れでも大事故に繋がりかねません。
悲惨な事故を防止するためにも、冬場はしっかりと防寒対策をした上でバイクに乗るようにしてください。
最適な防寒対策をするため、冬の「体感温度」を知る!
冬場、バイクで遠出するときは、ほとんどの方が天気予報で気温を確認すると思います。
「このくらいの気温なら普段着や通常の装備でも何とかなりそうだ」と思うことがあるかもしれませんが、ちょっと落ち着いて考えてみましょう。
バイクを運転しているときの体感温度は、気温に比べ大幅に低くなります。
「リンケの体感温度」という有名な計算式があるのですが、この計算式を使うとバイクで走行中の体感温度を算出することができます。
時速ごとにまとめたのが以下の表です。
【リンケの体感温度】
時速 | 秒速(m) | 体感温度 |
---|---|---|
10km | 2.78m | -6.68℃ |
20km | 5.56m | -9.44℃ |
30km | 8.33m | -11.55℃ |
40km | 11.11m | -13.33℃ |
50km | 13.89m | -14.91℃ |
60km | 16.67m | -16.33℃ |
70km | 19.44m | -17.64℃ |
80km | 22.22m | -18.86℃ |
90km | 25m | -20℃ |
100km | 27.78m | -21.1℃ |
たとえば気温が「15℃」のとき、バイクで時速50kmで走っているときの体感温度は「気温−14.91℃」。
つまり、ほとんど「0℃」ということになります。
高速道路を時速100kmで走っていたとしたら、体感温度は「気温−21.1℃」になるので「−6℃」くらい。とてつもない寒さですよね。
走行時の体感温度を考えると、バイクの防寒対策がいかに重要かお分かりいただけるかと思います。
冬のバイクで知っておきたい、寒さ対策の3つのポイント
バイクの寒さ対策というと、「とにかく着込む」という人が多いかもしれませんが、ただ闇雲に着込めばいいわけではありません。
より効果的な防寒対策をするためのポイントを知っておきましょう。
首、手首、足首の防寒対策が重要!
バイクの防寒対策のなかでも、「首」と名のつく部分の防寒対策はとりわけ重要です。
具体的には、「首」「手首」「足首」ですね。
この3箇所は、体の表面近くに太い血管が通っているため、冷えると体全体が冷えやすくなります。
その上、装備と装備の「つなぎ目」にあたる箇所でもあるので、風が入り込みやすく特に冷えやすいのです。
対策を忘れるべからず!
冬でも、日中や食後などは意外と汗をかくものです。
汗で濡れたインナーを着たままバイクを運転すると、走行風によってあっという間に汗が冷やされ、ものすごく寒く感じます。
汗をかくことを想定して、速乾性のあるインナーを着たり、長距離ツーリングの際は着替えを用意したりすることも大切です。
末端が冷えると操作ミスのリスクも!
指先や足先などの末端は血流が届きにくく、冷えやすい箇所です。
指先や足先が冷えてかじかんでくると、スロットルワークやクラッチ操作にも影響が及んできます。
操作ミスを防ぐためにも、末端の防寒対策をおろそかにすることはできません。
冬のバイクで知っておきたい、寒さ対策の3つのポイント
冬のツーリングを計画したときは、防寒対策のためにウェアや防寒グッズを新調することがあると思いますが、その効果を試すことなく、ぶっつけ本番でツーリングに出かける人も少なくありません。
ですが、できるだけ事前にテストして、ウェアや防寒グッズの性能を体感するようにしましょう。
近隣でも構わないので一度、フル装備で運転してみて、「これなら大丈夫」と確かめてから当日を迎えるようにしてください。
また、防寒対策というと、文字どおり「寒さを防ぐこと」だけに意識が向きがちですが、「発熱量を増やす」ことも重要です。
発熱量を増やす方法としては、まず第一に自分の体温を上げること。
温かいものを食べたり飲んだりするのが効果的です。
それ以外では「カイロ」も発熱源になりますし、「電熱ウェア」や「電熱グローブ」も発熱量を増やすのに役立ちます。
バイクの防寒対策におすすめのウェア、アイテム
バイクの防寒対策におすすめのウェア、アイテムなどをご紹介します。
電熱ウェア
近年、バイクの防寒対策は「電熱ウェア」がちょっとしたブームです。
電熱ウェアは、電熱ヒーターが内蔵されたウェアのことで、充電池やバイクのバッテリーを利用することで体を温めてくれます。
電熱ジャケットや電熱ベストが主流ですが、電熱パンツや電熱グローブなども登場しており、冬場のツーリングの人気アイテムになっています。
アウター
アウターは、防風性能を重視して選びましょう。
下半身の防寒なら「オーバーパンツ」もおすすめです。
オーバーパンツはパンツの上から履くことで、下半身の保温効果を高めてくれるアイテム。
簡単に着脱できるので、走行中に「寒くなってきたな」と感じたらパンツの上から履いてもOKです。
インナー
ヒートテックをはじめ、保温効果の高いインナーがおすすめですが、上述したように汗対策も無視することはできません。
すみやかに汗を発散して体温を維持してくれる「機能シャツ」がたくさん登場しているので、ツーリングの際は、1潤オ2枚持っていると安心です。
「隙間」の防寒対策アイテム
冬場、バイクを運転していると、上着の襟や袖、パンツの裾などから冷たい空気が侵入してライダーの体温を奪っていきます。
このような「隙間」の防寒対策アイテムとしては、首まわりの保温に効果的な「ネックウォーマー」、下腿部分の温度低下を防いでくれる「アンクルカバー」、手首まですっぽり覆うことができる「ガントレットグローブ」などが効果的です。
首、手首、足首を保温できれば、体全体が冷えるのを防ぐことができます。
その他の防寒アイテム
手先の温かさをキープするには、「グリップヒーター」がおすすめ。
真冬の運転につきものだった手の寒さから解放されます。
既存のグリップの上から装着できるタイプがほとんどなので、冬が終わったら簡単に取り外すことができるのもポイントです。
まとめ:万全な防寒対策で冬もバイクを楽しもう!
ひと昔前のバイクの防寒対策といえば「とにかく着込む」ことでしたが、年々、バイクの防寒対策ウェア、アイテムは高機能化しており、防風性能や保温性能に優れたものが増えています。
ぜひ、自分に合ったウェア、アイテムを取り入れて、冬もバイクを楽しんでください。
冬場、長距離のツーリングに出かける際は、特に念入りな寒さ対策が必要です。
防寒ウェアや防寒アイテムでフル装備するのはもちろんですが、体が冷えきらないうちに休憩をとり、温かい食べ物・温かい飲み物で体を内側から温めることも重要。
トータルで防寒対策を行えば、寒さの厳しい冬でも快適&安全なツーリングができるでしょう。
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