バイクに標準で付属している車載工具は簡易的なものが多く、「使えない」という声も聞かれます。実際に、自分で工具を揃えて車載しているライダーも少なくありません。今回は、最低限必要な車載工具や、あると便利な車載工具について解説するとともに、おすすめの車載工具セットもご紹介していきます。
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最低限必要なバイクの車載工具とは?
バイクの車載工具は、ツーリングなど出先でのトラブルに備えるためのもの。出先でピンチを切り抜けるためには、それなりの品質・精度の工具を揃えておく必要があります。とはいえ、工具箱を丸ごと車載することはできないので、工具を厳選しなければいけません。少なくとも、以下の5つの工具は車載しておくべきでしょう。
ドライバー
ドライバー(プラス・マイナス)は必須の車載工具です。標準で付属しているドライバーは精度が低いものもあり、無理に使っているとネジをなめてしまうおそれもあります。市販品を購入するときは、100円ショップなどではなく、品質に信頼の置ける商品を選ぶようにしてください。バイクのメンテナンスでもっとも出番が多いドライバーは「2番」なので、1本車載するなら2番です。その他、以下のようなポイントもチェックしましょう。
- グリップはある程度の太さがあったほうが持ちやすい。
- 短いドライバーはネジまで届かないケースがあるので、長めのドライバーを選んだほうが安心。
- 先端が磁石になっているドライバーがおすすめ。
コンビネーションレンチ
コンビネーションレンチは、片側がスパナで、反対側がメガネレンチになっている工具です。幅広い用途に使えるため、バイクの車載工具として欠かせません。よく使うサイズは「8mm」「10mm」「12mm」です。その他のサイズは車載するスペースなども考慮して、必要に応じて揃えるようにしましょう。
六角レンチ
六角レンチもバイクに車載すべき工具の一つです。いくつかのサイズを揃えておけば、様々な状況に対応できます。六角ボルトは高いトルクで締め付けられていることが多いので、長めの六角レンチのほうが使いやすいでしょう。
ラジオペンチ
ラジオペンチは先が細くなったペンチで、細かいパーツを扱うときに役立ちます。先端の細さは商品によって異なります。先端が細いほど細かい作業ができますが、強い力をかけることはできません。逆に、先端が太めのラジオペンチは力を入れることは得意ですが、細かな作業が苦手です。
モンキーレンチ
手持ちのレンチではサイズが合わないときに活躍する工具がモンキーレンチです。また、同じ径のボルトやナットを同時に締める・緩めるときも、モンキーレンチがあると片方を固定できるので助かります。
あると便利なバイクの車載工具
バイクの車載工具は通常、シートの下やサイドカバーの中に収納します。バイクによって収納量に違いはありますが、スペースに余裕のある方は以下のような工具も車載しておくと便利です。
ソケットレンチ
ソケットレンチは、ボルトやナットにはめ込むソケット部分と、持ち手(ハンドル)部分を組み合わせて使う工具です。回転方向が一方向に制限され、逆回転させると空回りする「ラチェット機構」を備えているものが多いため、「ラチェットレンチ」とも呼ばれます。
ロッキングプライヤー
ロッキングプライヤーは、パーツを掴んだ状態で固定できる工具です。たとえば、転倒や立ちごけによってクラッチレバーやブレーキレバーが折れてしまった場合でも、ロッキングプライヤーを折れたところに固定すれば、応急的なレバーとして使うことができます。
プラグレンチ
プラグレンチはスパークプラグを脱着するときに使う工具です。キャブ車の場合、プラグかぶりが起きることがあります。その場合、プラグを外して清掃したり交換したりしなければいけないので、プラグレンチが必要になります。
タイラップ(結束バンド)
タイラップを持っていると、ケーブル類を束ねたり、干渉してカタカタと音がするパーツを固定したり、破損したパーツをつなぎ止めたりするときに役立ちます。
ビニールテープ
タイラップと同様に、汎用的に使えるのがビニールテープです。カウルなどのパーツが破損したときなど、いざというときの補修用に車載しておきたいアイテムです。
カッターナイフ
カッターナイフがあると、タイラップやビニールテープを切るときに役立ちます。
ステンレス針金
ステンレス針金があると、ケーブル類を束ねたいときや、パーツをしっかり固定したいときなどに役立ちます。高温になるエンジン周りや狭い場所など、ビニールテープやタイラップが使えない場所にも使えます。
おすすめのバイク用車載工具セット
バイクの車載工具は一つずつ揃えても構いませんが、セットで買うのもおすすめです。人気のバイク用車載工具セットを2つご紹介します。決して安くはありませんが、いずれも品質が高いので、車載工具としてだけでなく普段のメンテナンスでも十分に活躍してくれるでしょう。
京都機械工具(KTC)「モトクラブシリーズ ライダーズメンテナンスツールセット MCK3140」
京都機械工具(KTC)は1950年創業の工具メーカーで、トヨタの車載工具として採用されたことをきっかけに業界で確たる地位を築きました。「軽い・丈夫・使いやすい」を基本理念として、上質な工具を開発しています。「MCK3140」はソケットを採用することで、スパナやメガネレンチなどでは対応できない凹部の作業を容易にしています。また、駆動工具は、作業性を考えてスライドヘッドハンドルとエクステンションバーを採用しています。
トネ(TONE)「ツールバッグセット TSA3170」
トネ(TONE)は、スパナやメガネレンチ、ソケット工具やトルクレンチなど、DIYユーザー向けから専門性の高い特殊工具まで、ネジ回しに関するあらゆる製品を手がける工具メーカーです。1925年創業の老舗で、日本で初めてソケットレンチの国内生産に成功したメーカーとしても有名です。「TSA3170」は、バイクの車載工具に最適なツールバッグセットで、最小限の工具で幅広い作業ができるよう、内容が厳選されています。
まとめ
「バイクにどれだけの工具を車載すべきか?」は、ライダーの考え方一つです。幅広い工具を車載していたほうがいざというときに安心ですが、スペースが限られているバイクでは、工具の数やサイズ、重さに配慮しなければいけません。ぜひ、お気に入りの車載工具を揃えてツーリングに出かけましょう。
プラグかぶりやタイヤのパンクなど、ツーリング先でのトラブル対処法は以下の記事を参考にしてください。
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